愛知県北名古屋市の心療内科
もりメンタルクリニック
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特集1 精神の疾患について

統合失調症

統合失調症

統合失調症はおよそ100人に1人がかかるといわれています。従来はあまり有効な治療薬もない大変な病気と思われていましたが、今日では有効な薬も出てきて、治療が可能な「脳の病気」と思われるようになってきました。
最近は、薬による治療だけでなく生活訓練や福祉制度も整いだし、以前と比べるとよい環境になり、患者さんご本人たちが将来自立した生活をすることが可能となってきています。

統合失調症は様々な要因が相互に作用しあって発症しますが、大きな要因のひとつに「限度を超えたストレス」があります。

この病気は脳をはじめとする神経系統の機能に障害が生じる病気です。過度のストレスがかかると情報を伝達する役割を担う神経伝達物質(主としてドーパミン)という化学物質が過剰に働いてしまい、情報伝達に混乱をきたして病気になるのではないかと言われています(ドーパミン仮説)。しかし、最近では複数の神経伝達物質の関係が問題のようだとも言われ、ドーパミンの過剰分泌だけでは説明がつかないという説も出てきました。

症状には、大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」があります。ある患者さんにそのすべての症状が出現するというものではありません。発病後間もない急性期や再発の時に見られる症状は次のとおりです。

主な症状
陽性症状
  • 妄想(実際にはありえないことを信じる)
  • 幻覚、幻聴(実際にないものが見えたり、聞こえたりする)
  • 思考の混乱(物事を正しく判断、理解できない)
  • 感情の不安定さ(過敏になり些細なことで怒ったり、泣いたりする)
  • 病識がない(自分を病気と思わない)
陰性症状(消耗期、回復期に長期にみられる慢性の症状)
  • 感情鈍麻(周囲に無関心になり、感情表現が乏しくなり、情緒性が低下する)
  • 思考内容の貧困化(コミュニケーション能力が低下し、返答に時間を要する。話にまとまりがなくなる)
  • 意欲減退(集中力がなくなる。意欲が乏しくなる)
  • 過剰な睡眠

発症から症状が落ち着くまでの経過は、患者さんそれぞれで異なりますが、多くの場合次のようです。

前兆

不眠、焦り、気分の変わり易さ等がみられます。
過剰なストレスが発端になることが多く、仕事、育児、家事、学業などに行き詰まりを覚え、特に理由もなく会社や学校を休んだり、家から出られないことがあります。
この段階で医療にかかる必要があります。

急性期
  • 幻聴(現実にはない声が聞こえる)
  • 妄想(いつも人に監視されている、あるいは狙われている感じがする)
  • 独語(ぶつぶつと独り言を言う)
  • 空笑(一人で笑う)
消耗期
急性期が治まると、強い疲労感に襲われたり、過眠傾向になることがあります。これは急性期に消耗したエネルギーを回復する為の時期で焦らないことが重要です。
回復期
表情や会話が豊かになり、行動も活発になります。焦らずに治療を続けることが必要です。

治療

治療は薬物療法が中心で精神療法やリハビリテーションが程度や回復の度合いを考慮して用いられます。統合失調症の治療に用いられる薬は、抗精神病薬とよばれています。

  1. 定型抗精神病薬(従来型)
    ドーパミンという神経伝達物質に作用することにより幻聴や妄想、あるいは興奮状態などの陽性症状に効果がある
  2. 非定型抗精神病薬(新規)
    主にドーパミンとセロトニンという神経伝達物質に作用し、陽性症状と無気力・活動性の低下・表情の乏しさなどの陰性症状に効果が期待できる。

副作用を心配して服薬を中断してしまうと、病気の再発・再燃(薬で抑えられていた症状が出てくる)につながります。副作用が出た時は、自己判断をせず、まず主治医に相談してください。どんな薬でも副作用はあるものです。新しい抗精神病薬には副作用が少ないものも出てきていますので、ご本人に合うものを探し、上手に薬を使いながら、継続して服薬することが大切です。

薬は、状態にもよりますが、数年以上に渡って飲む必要があります。

陽性症状(幻覚・妄想など)が治まって、よくなったように見えても、日常生活の中には様々なストレスがあり、精神のバランスを崩しやすい状態は続いています。

薬には病気の再発を予防する働きもあります。再発を繰り返すと症状が強くなり治りにくくなることがあります。

統合失調症の服薬は高血圧や糖尿病と同じと考えてください。例えば、高血圧の薬は、飲み続けていると血圧が安定していますが、飲まないでいるとまた血圧が上がってしまいます。薬を飲み続けることが安定につながるのです。

再発防止のために

「再発のしやすさ」がこの病気の特徴の一つです。再発のサインを知り、対処法を見つけておきましょう。

患者さんご本人だけでなくご家族が気付けることもあるので、日ごろから薬やストレスのことを話し合っておくとよいでしょう。病院のデイケア等リハビリテーションで体力や集中力の回復を図ったり、対人関係など生活上の問題を解決する技法、ストレスへの対処法を学ぶこともできます。過剰なストレスから遠ざけるためには入院も一つの方法です。焦らず、無理をせず、が大切です。